この記事は2016年12月7日に公開されたものを、2018年2月6日に更新したものです。

 

こんにちは。ちゃんらいです。

前回に引き続き、貝殻アトリエjyarinkoを営むひらいでさつきさんのインタビュー記事です。前編は下記をご覧ください。

<前回の記事>

 

蒲郡を訪ねて

蒲郡に面した三河湾へと流れる西田川のそばに今回訪れる貝殻アトリエがある。

地元の海岸でとれるナミマガシワという貝殻を使ったフォトフレームやイヤリングなどの雑貨を制作しているさつきさんのアトリエだ。
 

ひらいで さつきさん
貝殻アトリエJyarinko
貝殻アーティスト
趣味:貝殻拾い、ドキュメンタリー鑑賞、食べること

 

お客さんとの対話の中で

作品の大半が地元のナミマガシワが用いられる中で、作品の中にはときどき脇役も存在する。
 

ブライダルで訪れるお客さんの中には海外や沖縄での挙式を上げられる方もおり、挙式を行う場所の雰囲気や季節感などを伺いながらアクセントとして付け加えるという。
 

 お客さんに合わせて世界に一つの作品が作られる秘訣は、お客さんとの対話の中にある。
 

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素材集めの対象となるのはナミマガシワに限らない。
こういった脇役やお客さんのストーリーを集める事も、さつきさんの素材集めになっている。
 

そしてもう一点、お客さんとの対話の中で作品に磨きがかけられる。
ブライダルのウェルカムボードからはじまったさつきさんの貝殻アート。
 

友達から「こんなものを作ったらどうか?」という要望やアドバイスをうける中で、様々なアクセサリー作りや新婚旅行の思い出を飾るフォトフレーム作りを行うようになる。
 

 時には妊婦さんに向けて作る花冠など、今まで作った事のないものにも一生懸命作り方を勉強して取り組んだという。
 

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さつきさんの作品に心ひかれたファンの声から、さつきさんの手によって新たな作品が生み出されていく。
 
「私の一番やりたかったことなんです」と語るのはお客さんとの対話の中で生み出されていくものづくりである。
 

そのような過程によって益々進化しているとさつきさん自身も語ってくれている。
 

作品作りにかける想い

仕事の責任感

ブライダルの作品は、お客さんの人生最大の晴れ舞台を彩る作品となる。言い換えればその成功にかける想いを貝殻を通じて表現し、その場に届けるのがさつきさんの役割である。
 

結婚式当日という納期がある中で失敗は許されないという大きなプレッシャーを抱えながらも、お客さんの幸せの瞬間を演出しようという一心に、さつきさんが作品作りに取り組んでいる。
 

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責任から生まれるやりがい

それでも、結婚式を終えた夫婦から当日の幸せな写真が報告として届いたり、次の展示会に足を運び二人そろって報告に来てくれることもあるという。
また、数年経って子供が生まれた時に会いに来てくれるお客さんもいるという。

 
作って渡すだけの関係に止まらず、ライフイベントに寄り添う関係が構築できるのも、作品作りのやりがいであるとさつきさんは語ってくれた。
 

修行時代と独立

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さつきさんは、貝殻アトリエを開く前は一度染物の職人の基で修行を積んだ経験がある。
 

その後一度会社員として勤めた時期もあるのだが、ものづくりにかける想いは膨らみ、「人がやっていないことに挑戦したい」という気持ちを心に育てている中で、ナミマガシワが秘める可能性を感じる。
 
 

そんな中訪れた転機が、お姉さんの結婚式のために用意したウェルカムボードである。
 

似顔絵が好きなさつきさんは、お姉さんの似顔絵を書き、集めていたナミマガシワを似顔絵の周りにあしらってプレゼントした。
お姉さんの喜ぶ姿、そして「もっと色々作ってみたら良いじゃない」とお姉さんから後押しを受けたのである。
 

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さつきさんが、アトリエを構えたのは4年前、なにもない状態から「貝殻一本でうまくいくのか」という不安を抱えながらも、成功させたい一心でがむしゃらに作品の制作に励む取り組む当時のさつきさん。
 
各地の展示会に出展を行い、寝る間を惜しんで作品作りに取り組んだ。
 

今ではアトリエの時間をなるべくとりたいとさつきさんは語ってくれた。
お客さんとの対話がさつきさんの原点であり、もっとも大切にしたい瞬間なのだと思う。
 

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ナミマガシワ

勉強不足な発言かもしれないと内心思いつつも、率直な質問として「ナミマガシワは蒲郡で有名な貝なのですか?」と聞いてみた。
 

意外なことに、地元の人からも「この貝殻はどこでどれるの?海外で取れる貝殻ですか?」と聞かれることがあるという。
 

「蒲郡の海岸で取れます」と返すと、驚きの反応が返ってくる。

地元の人も気が付いていない人のいる隠れた宝である。
 
 

一方で、お年を召した地元の方は、懐かしいという顔を浮かべながら「昔はもっと沢山とれたんだよ」と教えて下さるという。
 
地元の良さを再発見するきっかけや地元の良さを再認識してくれるきっかけづくりになるに違いない。
 

この地に長く住んでいる人にとっては身近にある海はごくごく普通の風景に感じるかもしれない。
しかし、さつきさんの作品を通じて、地域の外の皆さんに蒲郡の魅力を発信しているのだと思う。
 

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蒲郡の風物詩

あさり、みかんに勝るとも劣らない、綺麗な貝殻も蒲郡の風物詩として感じて欲しいという。
 
また、蒲郡の海は味があって良いという感想も頂いた。
季節はすっかり冬の気候になっているが、温かさが戻ってきた頃には是非海岸を散歩して黄昏れてみたいと感じるインタビューであった。
 
 

【会社紹介ページ】

 
 

【会社概要】
貝殻アトリエ jyarinko
貝殻アーティスト:ひらいで さつき
愛知県蒲郡市三谷町須田5-25
0533-79-9620
http://jyarinko.jp/
 
 

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