超異分野学会 豊橋フォーラム2025

2025年11月29日、豊橋サイエンスコアにて「超異分野学会 豊橋フォーラム2025」が開催されました。
研究者、企業、スタートアップ、学生など、分野や立場を超えた参加者が一堂に会し、会場は終日、熱気に包まれました。

研究のアイデアが企業の視点と交わり、新たな連携の可能性が次々と生まれていく。
「ここから何かが始まりそうだ」——そんな期待感に、会場全体が包まれた一日となりました。

ここからは、当日の様子をダイジェストでご紹介します。

超異分野学会とは?

地元事業者、ベンチャー、大学、自治体、学生などが、分野や業種の枠を越えて集い、知識や技術を掛け合わせる場として、全国各地で開催されているのが「超異分野学会」です。
研究成果の社会実装や新規事業創出、産学連携のきっかけづくりの場として、国内外から注目を集めています。

本フォーラムは、株式会社サイエンス・クリエイト(豊橋市補助事業)、株式会社リバネス、豊橋技術科学大学、東三河スタートアップ推進協議会の共同主催により開催されています。
研究シーズと企業、さらには地域内外の人材が交わることで、新たな連携や実証プロジェクトの芽を生み出すことを目的とした取り組みです。

東海地方で初開催となった「超異分野学会 豊橋フォーラム」は、2022年の初開催から数えて2025年で4回目。
大学研究者、スタートアップ起業家、企業の新規事業・研究開発担当者らが、今年も豊橋サイエンスコアに集結しました。

研究者・企業・学生による超異分野スプラッシュ

超異分野スプラッシュの様子

https://lne.st/2025/12/11/hic-toyohashi-2025-report/より引用

フォーラムの幕開けは、恒例の「超異分野スプラッシュ」。
ポスター・ブースの発表者が80秒間で、自身の研究や事業、課題意識、求めている連携についてプレゼンテーションします。

今年は29名が登壇。
分野も立場も異なる発表が次々と続き、短時間ながらも会場の空気が一気に温まりました。

過去最多となる77件のポスター・ブース発表

ポスター・ブース発表の様子

https://lne.st/2025/12/11/hic-toyohashi-2025-report/より引用

会場内では、研究発表や事業紹介など77件のポスター・ブース発表が行われました。
研究者だけでなく、スタートアップ、企業、学生、NPOなど、多様な主体が参加しています。
コアタイムには、発表者と来場者が直接対話し、研究内容への質問や、具体的な連携相談があちこちで交わされていました。

パネルセッション

パネルセッション

https://lne.st/2025/12/11/hic-toyohashi-2025-report/より引用

本イベントでは、最先端の研究成果を「社会でどう活かすか」をテーマに、2つのパネルセッションが行われました。
研究者と企業が一堂に会し、技術を現場につなげるリアルな課題や可能性について語り合う時間となり、会場からも高い関心が寄せられました。

セッション1|ワンチップ迅速診断技術の社会実装を加速する

一つ目のセッションでは、株式会社ツジデンをセッションパートナーに迎え、豊橋技術科学大学の柴田隆行先生と共同開発を進めている検査チップをテーマに議論が行われました。
テーマは「ワンチップ迅速診断技術の社会実装を加速する 〜製品化のためのチーム作りと用途探索〜」。

研究室の中で生まれた技術を、どのように社会で使われる製品へと育てていくのか。
企業と研究者がどんな役割を担い、どのタイミングで連携することが重要なのかなど、社会実装の“リアル”が具体的な事例とともに語られました。
地域企業と大学発技術が手を取り合い、新しい価値を生み出していくプロセスに、多くの参加者が引き込まれるセッションとなりました。

セッション2|「人に見えない」を見えるに変える半導体技術

二つ目のセッションでは、豊橋技術科学大学 次世代半導体・センサ科学研究所(IRES2)をセッションパートナーに迎え、半導体センサ技術の可能性に迫りました。
テーマは「『人に見えない』を見えるに変える半導体技術 〜可視化がもたらす健康、農業、インフラ点検の新しい価値〜」。

人の目では捉えきれないにおいなどの変化や兆しを“見える化”することで、健康管理や農業、インフラ点検の現場はどう変わるのか。
研究成果が社会課題の解決につながっていく未来像が示され、技術がもたらすインパクトの大きさを実感できる内容となりました。

知識製造イグニッション

知識製造イグニッションブースでの議論の様子

https://lne.st/2025/12/11/hic-toyohashi-2025-report/より引用

フォーラムの目玉企画の一つが「知識製造イグニッション」です。
イグニッションパートナーである豊橋技術科学大学とFloatmeal株式会社から提示された3つのテーマをもとに、参加者同士が連携し、新たなプロジェクト案を生み出すための議論が行われました。

今回のフォーラムでは、合計18件もの連携プロジェクト案が生まれ、会場のあちこちで活発な意見交換が展開されました。
なお、豊橋技術科学大学がイグニッションパートナーとして参加したのは今回が初めて。機械工学系の高橋淳二准教授、先端半導体・センサ科学研究所(IRES2)の野田俊彦准教授から、それぞれテーマが提示され、研究と社会をつなぐ実践的な議論が進められました。

各テーマごとに選ばれたプレゼンターが、連携案をスライド1枚にまとめてピッチを実施。
限られた時間の中で、研究・技術・ビジネスの可能性を凝縮して伝える姿が印象的で、まさに「ここから何かが始まる」瞬間を感じさせる時間となりました。

受賞・表彰

オーディエンス賞

https://lne.st/2025/12/11/hic-toyohashi-2025-report/より引用

フォーラムでは、参加者の共感や期待を集めた発表を称える表彰も行われました。
オーディエンス投票による賞のほか、知識製造イグニッションのパートナーや共同主催者からの賞が授与され、研究やアイデアが次のステージへ進む後押しとなりました。

知識製造イグニッションでは、スマートシティやスマートアグリ、食料・資源といった分野をテーマにした連携案が評価され、将来の社会実装につながる可能性を感じさせる提案が選出されました。

また、ポスター発表では、参加者が「巻き込まれたい」「応援したい」と感じた発表にオーディエンス賞が贈られたほか、
サイエンス・クリエイト賞、超異分野学会 豊橋フォーラム2025賞など、それぞれの視点から注目された研究・取り組みが表彰されました。

各賞の受賞者

最後に、各賞の受賞者をご紹介します。

知識製造イグニッション

【豊橋技術科学大学スマートシティ/スマートファクトリー賞】
受賞者: 株式会社ジオクリエイツ 本田 司 氏
受賞テーマ:デジタルツインの高精度位置情報と視線脳波のセンサーフュージョンによる空間高度化

【豊橋技術科学大学スマートアグリ/マルチモーダルセンシング賞】
受賞者: DoFem
受賞テーマ:においから体調の見える化セルフケア・職場での活用

【Floatmeal賞】
受賞者: マルトロ株式会社 寺澤 知彦 氏
受賞テーマ:種苗(仔稚魚)や浮遊幼生(アサリ)の餌としてWolfiaを利用

ポスターの部

【オーディエンス賞】
受賞者:一般社団法人ゆうなぎカンパニー 林 凪 氏 受賞テーマ:小学生起業が直面する現行制度の問題点と今後の改善策

【サイエンス・クリエイト賞】
受賞者: 信州大学 照月 大悟 氏
受賞テーマ:昆虫の嗅覚で命を探す災害対応バイオセンシング技術とスタートアップ構想「Mos-Q」

【超異分野学会 豊橋フォーラム2025賞】
受賞者:都城工業高等専門学校 高橋 利幸 氏 受賞テーマ:高専機構「微細藻類のツール化と応用開発研究ネットワーク」の研究事例~微細藻類の増殖刺激技術の開発~

豊橋から、次の連携が動き出す

本フォーラムを通じて、豊橋という地域を起点に、大学・企業・研究者・実践者が分野を越えてつながる多くのきっかけが生まれました。
ここで交わされた議論や出会いが、今後どのような形で社会実装へと発展していくのか。
豊橋から生まれる次の挑戦に、今後も注目が集まりそうです。