五月病_ストレスチェック

自分で出来る! 五月病対策&ストレスチェック

村井社会保険労務士事務所代表の村井です。

食欲がない、寝つきが悪くてよく眠れない、朝起きれない、休んでも疲れが取れない……。新しい環境にも慣れてきた半面、疲れがたまりやすいのが5月。今回は自分でできる五月病対策についてご案内させていただきます。

◆そもそも、五月病って?

五月病とは、4月からの新しい環境変化に対して精神的・身体的な不調、特にストレスによるうつ症状が現れることを指します。医学的な病名ではありませんが、心身の疲れが大型連休明けのこの時期に顕在化しやすいことから、この名称で知られています。

入学、進級、就職、転勤、転居、昇進と、春は人生のイベントが目白押し。すでに社会人として何年も働いている方であっても、部署移動や新しく上司が部下が変わったりすると、慣れていた環境とは勝手が違ってくるものです。

また、進学や就職・転職など、その環境を手に入れることを知らず知らずにゴールに設定してしまっている場合、次の目標が見いだせずに燃え尽きてしまったり、実際に手に入れた環境が思っていたものとは違った場合はギャップに悩まされることになります。

それらの変化に対応しようと頑張っている間に、知らず知らずにストレスや疲労をためてしまうことが五月病の原因なのです。

5月病の典型的症状の例
身体的なもの 疲れやすい  眠れない  頭痛がする  食欲がわかない
朝起きれない  怠さが抜けない  酒量・喫煙量が増える
精神的なもの やる気が起きない  気分が落ち込む  何に対しても興味が持てない
焦りや不安がある  集中力が続かない  無力感を感じる
おしゃれをしたり身だしなみを整える気力がない

五月病は軽度のうつ症状とも言え、本格的なうつ病に移行する前に、自分自身でもケアをする必要があります。

◆自分でできるうつ病対策 3か条

① 軽い運動を習慣化する

うつ病の抑制に有効なのが、ウォーキングやヨガなどの運動を習慣化することです。

デスクワークがメインのお仕事だったり、コロナ禍で急速に広まったテレワークでは特にご自宅の中だけで仕事と生活が完結しがちであるため、歩く・立つ・作業するといった基本的な動作をする機会が減ってしまい、ロコモティブシンドロームのような症状の発生原因にもなってしまいます。

また、運動をすることは体に心地よい疲労をもたらし、深い睡眠や食欲の喚起にもつながります。

通勤が減って歩く距離が短くなってしまったというような方、自動車での通学・通勤などが多い方はぜひ短い距離から歩くこと、自宅でできる運動から始めてみてはいかがでしょうか。

② 規則正しい生活をする

バランスのよい食事を毎日決まった時間に食べること、また起床・就寝時間を同じ時間で行うことにより体内時計を整えることができます。

関東中央病院 メンタルヘルスセンター長の松浪克文氏によれば、人間の原始的な生活周期は25時間なのだそうです。ですから、自分の生活を整える作業をしなければ、どんどん生活リズムが狂っていってしまいます。それを、私たちは通常「もう遅いから寝よう」「お昼の時間だからご飯を食べよう」という習慣行動によって矯正し、規則正しい生活を送っているのです。

参考:職業人の「うつ病」と生活リズム

五月病によってこの習慣が崩れてしまうと、自分がせっかく蓄積してきた生活リズムが崩れてしまい、更なる症状の悪化を招いてしまいます。前掲の表のような自覚症状があるときほど、意識して規則正しい生活を送ることが大切です。

③ 意識して「何もしない」時間を作る

普段忙しく勉強や仕事に打ち込んでいる方は、少しのすき間時間でも有効活用してしまいがち。休憩時間もPCやスマートフォンでニュースやSNSをチェックしてしまう方、多いのではないでしょうか?

受け取る情報量が多くなりすぎると、脳が疲れて情報処理能力が低下してしまいます。その結果、集中力が続かなくなったり、注意力散漫になるなどの症状が現れ、ますます焦りや苛立ち、不満を感じやすくなるなどの負のサイクルに入ってしまうのです。

脳を疲労から回復させるためにも、感情的になりやすかったり疲れやすいなど五月病の兆候を感じたら、意識してスマホを見ない、何もしない時間を作ることが大切です。

◆セルフ・ストレスチェックをしてみよう

ストレスはそれ自体が悪ではありませんが、ストレスによって心理的負荷がかかりすぎている状態はうつ病の原因になります。特に仕事の場においてそのような状態となることを未然に防ぐべく、平成27年から企業に対して毎年1回従業員向けのストレスチェックを実施することが義務付けられました(従業員数50人未満の会社は努力義務)。これはメンタルヘルス不調の兆候をチェックリストなどを用いて確認・分析するもので、高ストレスの従業員は産業医と面談をする機会を得られます。

厚生労働省が発表しているストレスチェックシートのWEB版など簡易に自分のストレスの程度を調べることもできますので、 五月病の症状を自覚されている方はぜひ一度アクセスしてみることをお勧めします。