こんにちは。ちゃんらいです。
僕は初めて聞いた単語なのですが、皆さんは「 布花 」という言葉はご存知ですか?ハロウィンの季節に「布花」の作家、シャン ドゥ フルールの柴田綾野さんにインタビューをしてきました。
布花 って?
10月も終わりに近づき、すっかり秋の気候に様変わりしている。秋晴れのとある日に、豊橋のカフェに立ち寄った。
カフェの壁紙に目を向けると、そこには沢山のフラワーアートが飾られている。美しい花の景色に、生花でもドライフラワーでもない事に気がつくには相当な時間がかかった。
作品と作品の間には、作家さんが主催するワークショップの案内が貼られている。その貼り紙を見ていたら、こんなクイズが頭に浮かんだ。
「生花の対義語は何でしょう?」
「造花」
残念。正解は「布花」
「布花」ってなんだ?造花じゃないのか?
そんな疑問を胸に、思い切ってワークショップに参加させて頂いた。
シャン ドゥ フルール (champs de fleurs)
布花作家
趣味:布花作り、ガーデニング
ワークショップ
材料
ハロウィンが迫っていた時期ということもあり、ハロウィンの蜘蛛の巣アレンジが今回のワークショップで作成する作品だ。材料は以下の通り。
布花作り
蜘蛛の巣に見立てた土台に布花が飾られるのだが、写真を見てわかるように、布花を作成する事から始まる。材料はこのように花びら状に形作られた布だ。このように真っ平な布からどのように花の立体感や躍動感を作り出すことが出来るのか不思議でしょうがない。
ちなみに、今回の花の色は普段見かける生花に比べると暗めな色合いで、ハロウィンと調和した妖しい雰囲気を醸し出している。
本来、布花は真っ白な布を好みの色に染めることから始まる。今回はワークショップのため、染めの作業はすでに綾野さんが行っていたが、この染めの作業こそ綾野さんの力のいれどころだと語る。
コテ使い
布花の形成には、このようにコテを使って行われる。先ほどの平らな布に熱したコテを当てることで、好みの形にアレンジする。
綾野さんが私に説明をしながら、コテを当てる。すると、命が吹き込まれたかのように花びらのような動きが作られる。
綾野さんの説明どおりと言っても、コテを当てる強さや角度、動かす速度によって花びらの表情は大きく変わる。試行錯誤しながら、本物の花に近い動きが出せた(と自分で満足する)時には一気に布花の魅力に引き込まれる。
コテの先端部分は取り替え式で、様々な形の先端がある。どのような形を作りたいのかによって先端部分を使い分ける。
組み立て
そこからペップと呼ばれるめしべとなる部分を芯にして、先ほどの花びらを巻き付ける。コテで作った花びらの動きを損なわないようにしながら、花の形になるように重ねていく。
同じ作業を繰り返し、複数の布花を作成したら、蜘蛛の巣に取り付ける。すると、ハロウィンの季節にふさわしい作品が出来上がった。
造花と布花
「造花」と呼ばれる花は「ニセモノの花」と片付けられてしまう事が多い。確かに生花と造花を並べてみると、見た目で簡単に造花とわかってしまう。ところが、これから紹介する布花は、生花に負けない、いやそれ以上の魅力と奥深さを持った芸術であると断言出来る。
布花との出会い
きっかけ
綾野さんが布花に触れたのは22歳のころにさかのぼる。綾野さんの母が布花を制作していたのを見て、教室の門を叩いたのがきっかけである。母の道具を借りて見よう見まねで制作という、ごくありふれた展開ではない。
「自分は自分で」と母親から道具を借りることはせず、ご自身で教室に通って制作の技を習得した。
むしろ母親との作品を比べながら、お互いに品評し合ったと綾野さんは語る。身近にいる母親と切磋琢磨する関係になっていたことで、作品作りに対する情熱が研ぎ澄まされたに違いないのではないだろうか。
当時は教室で年に一度行われる展示会に向けて、お仕事と布花の生活の両立をこなしていたが、出産を機に一度布花から離れたと、綾野さんは言っていた。
高温のコテを扱うということで、子供の安全を考えての配慮だ。
再開
そこから3年ほど経ち、子供から手が離れたタイミングで布花の作成を再開する。その時、布花作りが廃れていっていることを聞き、布花を知らない人がたくさんいることを知った綾野さんは、綾野さんが感じている布花の楽しさを広めていきたいと、5年前に「シャン ドゥ フルール」を開業する。
お花畑
「シャン ドゥ フルール」とはフランス語で「お花畑」という意味を持ち、場所を問わずお花に囲まれた癒される空間に意味を込めてつけられた名前である。
ワークショップや教室以外にも、より多くの人に認知してもらうため、委託販売や展示などをも行い、布花の普及に努めている。
今回のワークショップの会場となったメイシーカフェでも、手作り雑貨の展示、販売を行っている。
布花へのこだわり
綾野さんの作る布花の魅力の源泉が三つあることに気が付いた。
研究へのこだわり
一つは綾野さんの飽くなき探究心である。生花からインスピレーションを得るために、珍しい品種を入手すると、それを一心不乱に分解するという。花を分解する過程で構成する花のパーツをじっくりと眺め、それを再現するために最適な材料を頭の中に浮かべながら、次の作品作りへと繋げていく。
染めへのこだわり
二つ目は、冒頭でも述べた「染め」作業にある。一つの布を染め上げるのに、複数の色を絶妙なバランスで組み合わせるという。また、毎回決まった分量の染め粉と水を使えば同じ色に染め上がると言うわけではなく、全て綾野さんの勘によって分量をコントロールし最適な染め具合に仕立て上げるという。
同じ色を出すにしても、生地の内容や糊の具合によって変わるのだという。
綾野さんの「染め」へのこだわりは、ぜひとも実物を眺める事で感じて欲しい。
用いられる布の素材、染めの仕上がり具合、コテによる加工具合、芯となるペップの種類。
これらの組み合わせによって無限大のバリエーションが生み出され、世界に一つしか無い布花が出来上がるのである。「無い花は作る」というのが綾野さんのモットーであり、布花の魅力でもあるのではないかと思う。
細部へのこだわり
作品の茎や葉っぱにも着目してほしい。布花は花だけでなく茎や葉っぱまで布で作られる。もちろん「染め」にも苦労は惜しまない。
花全体が布から作られているのが特徴である。
花だけではなく、花を彩る草やがく、葉っぱにもこだわりを語って頂いた。このように細部にまでこだわりが光っているのが綾野さんの作る布花の特徴であると言える。
主役を引き立てる存在に価値を抱く作品では、茎や葉っぱの部分を前面に出した飾り方も出来るのが特徴であり、アレンジにバリエーションが増している。
「先生の葉っぱに惚れて来ました」という生徒もいるらしく、綾野さんのこだわりが生みだす作品は人々を魅了する。
花の生産が盛んな豊橋では「花男子」という単語を良く耳にするが、今日のインタビューでは「布花男子」として違った魅力に出会うことが出来た。
皆さんも綾野さんのワークショップに是非とも参加して欲しい。
【会社概要】
シャン ドゥ フルール champs de fleurs
布花作家:柴田綾野
080-7041-6445
http://champsdefleurs.dosugoi.net/
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