
まるで爆弾が爆発したかのように急激に発達する低気圧、それが爆弾低気圧です。
この言葉を聞いて、あなたはどれほどの危険を想像しますか?日本列島をたびたび襲い、甚大な被害をもたらしている爆弾低気圧。
この記事では爆弾低気圧の脅威と、私たちがとるべき対策について詳しく解説します。
爆弾低気圧とは?
気圧にはさまざまな種類があり、爆弾低気圧は「温帯低気圧の中で特に短時間で急速に発達する低気圧」のことを指します。
南からの暖かい空気と北からの冷たい空気の温度差が大きいほど低気圧は急速に発達し、爆弾低気圧になりやすくなります。
メディアでは、爆弾低気圧は「急速に発達する低気圧」などと言い換えられていることがありますが、これは気象庁が「爆弾」という言葉がふさわしくないという見解から来ています。
いつ起きる?爆弾低気圧が発生しやすい時期・地域
爆弾低気圧は3月から5月ごろの「春の嵐」と呼ばれる時期と秋から冬に季節が変わるころに多く発生します。これは、春・秋の暖かい空気と冬の冷たい空気がぶつかることで爆弾低気圧が発生しやすくなるからです。
山に囲まれた盆地や標高が高い地域では朝晩と日中の気温差が大きくなりますが、気温差は気圧にも影響を与え爆弾低気圧が生まれやすくなります。
気圧予報アプリ「頭痛ーる」によると、2024年に一番気圧の影響が大きかったのは山梨県。なんと2020年から5年連続の1位獲得です。ちなみに愛知県は25位でした。
町にも身体にも?爆弾低気圧が与える影響
町への影響
雨風の威力は台風並み。暴風・高波・大雪など天気は荒れます。台風は中心に近いところほど風が強く吹きますが、爆弾低気圧の場合は中心だけでなく広範囲で風が強まるため、時には台風以上の影響を受けることもあります。
被害の事例では暴風により転倒や倒木といった直接的なものだけでなく、住宅の停電や断水なども起こります。暴風雪になって車が立ち往生したことから一酸化炭素中毒による事故も発生しました。
身体への影響
気圧の変化により、自律神経のバランスが崩れたり血管・脳血管を拡張する場合があります。症状としては、頭痛、めまい、だるさ、肩こり、関節痛、低血圧、吐き気、むくみ、倦怠感、気分の落ち込みなどがあります。
内耳が敏感な人やもともと片頭痛を持っている人が症状が出やすいので注意しましょう。対策は、十分に睡眠をとり、規則正しい生活をして、自律神経を整えることです。首回りや耳のマッサージも有効です。
備えあれば憂いなし!対策をしよう。
爆弾低気圧によって大荒れの天気が予想されるときは、数日から1日前に気象庁から「暴風及び高波に関する気象情報」が発表されます。
爆弾低気圧は広範囲に及ぶことが多く、短期間で風が強まったり長期化することもあります。悪天候が予想されるときは、屋外、特に海や山のレジャーは避けてください。家にいても、暴風で停電・断水になったり、交通障害で公共機関が使えなくなることも考えられます。
家やご近所、ご自分を守るために対策をしていきましょう。一人暮らしの方や高齢者子育て家庭への注意喚起もしたいところです。
前日までの準備
物干しの片づけ、懐中電灯・充電・非常食・飲料の準備、避難経路の確認 など
当日の行動
外出は控える、風で飛ばされそうなものを屋内へ入れる、最新の「暴風及び高波に関する気象情報」をチェックする
避難に備え、防災グッズを用意しておくといいですね。防災グッズは地震の備えにもなります。手軽に用意できる防災ボトルもおすすめです。
正体を知り、正しい対応を
爆弾低気圧の予測は気象庁のWEBサイトや天気予報系のアプリでも確認できます。
爆弾低気圧は台風に似ていますが、台風よりも短時間で急速に発達し、私たちの生活に多大な影響を与えます。
きちんと対策をして、いざという時に慌てないようにしたいですね。