TOYOHASHI AGRI MEETUP マッチングプログラム

豊橋市が2022年度から行っている地域農業関係者×農業系スタートアップによる協働プロジェクトの「TOYOHASHI AGRI MEETUP」。

今年度も新しいプログラムがスタートし、7月には全国から有望なアグリテック企業が集まり、地域の農業関係者との交流会が行われました。

8月末からは豊橋近隣エリアの農家、JA、農業関係の事業会社等を対象としたマッチングプログラムが開催されました。マッチングプログラムでは、農業領域におけるイノベーションの講義やワークショップ等を通じ、農業者等がスタートアップとの協働開発に向けたマインドセットを行うとともに、農業者の抱える課題を明確化し、アグリテックコンテストで解決策を公募する農業課題を作成していきます。

マッチングプログラムの最後には参加者同士の交流会も行われ、積極的な意見交換がされました!

【講座】経営課題解決に向けた農業×IT

TOYOHASHI AGRI MEETUPマッチングプログラム講演の様子

講師は 株式会社GRA 代表取締役CEO 岩佐 大輝 氏です。岩佐氏は大学在学中にITコンサルティングサービスの会社で起業し、東日本大震災で壊滅的な被害を受けた故郷である宮城県山元町の復興を目的に株式会社GRAを設立しました。

岩佐氏は「どのような条件にある地域でも、そこにグローバルレベルで勝負できる産業があれば その地域は必ず再び栄える。」という仮説の上で、故郷でもともと盛んであり震災の被害が著しかった「イチゴの施設園芸」に注目。講演では農業経営の成功のポイントとして、地域への貢献・還元の視点、作物の市場規模や中長期のトレンド、作物のコスト構造の把握、誰と協業すべきかや、導入する技術をどのように見極めるか等具体的かつ示唆に富むポイントを多くご紹介頂きました。

「行動こそが、価値を生む」と最後に岩佐氏がお話されたとおり、岩佐氏が自ら行動し、価値構築を進めていったそのプロセスや事例を非常に分かりやすくお話を頂き、参加者が非常に熱心に聴き入っている姿がとても印象的でした。

【ワークショップ】農業課題の可視化と課題発生背景の認識

TOYOHASHI AGRI MEETUPワークショップ1

講師はデロイトトーマツベンチャーサポート株式会社 青砥 優太氏。青砥氏は林業を営む家系に生まれ、現在は大手企業の農業ビジネス支援や農業系スタートアップ起業の支援を行っています。

全2回のワークショップへの参加を通じ、参加者がスタートアップとの協働開発に向けた新しい考え方や思考法を習得​し、アグリテックコンテストの応募テーマとしての公表に向け、参加者自身が抱える農業課題を整理・明確化します。

DAY1のワークショップでは、3-4名のグループに分かれ、事務局や市職員も同席し、サポートを行いながら、参加者個人で普段感じている農業の課題、それらに対する取り組みなどをワークシートに落とし込み、まとめた内容について、グループでの共有が行われました。

その後、さらに課題を明確化し、その課題を解決しうる策を考える手法として、講師からデザイン思考を取り入れたカスタマージャーニーの説明がありました。さらには、思考・感情や行動を可視化する、エンパシー(共感)マップ作成手法の説明もありました。その後、講師からインプットされた手法を用いて、参加者の課題を整理して頂きました。

TOYOHASHI AGRI MEETUPワークショップ2

DAY1プログラムに参加した参加者からは「生産現場目線での話を聞くことができ、実践的な内容であった」「他の生産者の実態や課題を知ることができて良かった」等の感想を頂きました。

TOYOHASHI AGRI MEETUPワークショップ3

まとめ

今年で3年目を迎えたTOYOHASHI AGRI MEETUP。

地域農業関係者と農業系スタートアップの新しいマッチングを生み出すとともに、初年度のマッチングによる2年間の実証実験もあと半年程となり、社会実装へ向けての準備が進められています。

TOYOHASHI AGRI MEETUPのコンセプトは豊橋ひいては全国の「未来の農をつくる」こと。アグリテックコンテストでの解決策募集に向けてマッチングプログラムはDAY2へ続きます。

▽TOYOHASHI AGRI MEETUP 公式サイト▽
https://toyohashi-agri-meetup.jp/