2023年6月から11月の約半年間に渡り、豊橋市の大学生が企業とタッグを組んでPRムービーを企画・制作する講座が開催されました。
この記事では、実際に大学生がつくったユニークな企業PRムービーと、その制作の舞台裏を紹介します。
豊橋の企業に潜入して、PRムービーをつくろう！
どんな講座？
本講座は、豊橋市産業部地域イノベーション推進室主催「学生による企業の魅力発見・発信講座」事業に基づき、株式会社タスキの運営で開催されました。
豊橋市内の大学に通う学生や市内在住の大学生が豊橋の企業を取材し、企業をPRするためのショートムービーを作成するという半年間のプロジェクトです。
2023年度は、愛知大学、豊橋技術科学大学、中部大学、名城大学、名古屋市立大学から計16名が参加し、企画がスタート！
参加者はチームに分かれて実際に企業を訪問し、社長や社員へのインタビューを通じて、学生目線で感じた働きやすさや仕事の魅力を、90秒ほどの短いムービーにまとめました。
参加企業一覧
本講座には多数の企業から応募があり、抽選の結果以下６社が選ばれました（五十音順）
- イセヤス建材（エクステリア販売・施工）
- エムキャンパス（コワーキングスペース運営）
- お亀堂（和菓子製造・販売）
- サーラ住宅（ハウスメーカー）
- 東三河ヤクルト販売（健康食品販売）
- ユタカコーポレーション（自動車学校、自動車販売・整備等）
クオリティの高さに驚き！学生がつくった企業PRムービー
まずはさっそく、各チームのムービーをご紹介します！
チームみんなで「どうすれば企業の魅力が伝わるだろう？」「見る人が飽きないようにしよう！」と試行錯誤を重ねて作った、工夫いっぱいのムービーをお楽しみください。
イセヤス建材
エクステリア販売・施工を行っているイセヤス建材。
ムービーでは、イセヤス建材という名前からは想像できないオシャレな外観・オフィスをアピールしつつ、社長と一緒にダンスすることで、会社の明るく楽しい雰囲気が伝わるムービーになりました。
取材をしながら、現地で次々と面白いアイディアが出たこのチーム。
「ここも撮りたい！」「こんな映像を撮りたい！」というリクエストにすべて快く応じていただき、“楽しい”が溢れるムービーになりました。
エムキャンパス
まなびとチャレンジ支援の場としてコワーキングスペース「emCAMPUS STUDIO」を運営するエムキャンパス。
“起業”や“事業創出”など、学生からするとちょっとハードルが高そうなキーワードが飛び交うコワーキングスペースを、学生ならではのユニークな世界観のムービーで表現してくれました。
メンバーのうち２人は、この講座でemCAMPUS STUDIOを知ったことをきっかけに、emCAMPUS STUDIOで開催された自己啓発イベントに何度も参加するようになったそう。
同じように、若い世代の方々がこのムービーを見て「emCAMPUS STUDIOってなんか面白そう！」と感じることを期待しています！
お亀堂
お亀堂は、高校からの同級生女性３人の仲良しチーム。
うち２人は、昨年度もこの講座に参加してくれていたリピーターです。
取材当日は工場内も見学させていただき、和菓子がつくられる繊細で丁寧な工程を見せていただきました。１つ１つの小さな和菓子に込められた想いを知ると、より一層和菓子が好きなったそうです。
“遊び心”を大切にしているお亀堂らしい、店舗内のインテリアや器へのこだわりもたくさん教えていただきました。
サーラ住宅
豊橋市に本社をおく数少ない上場企業グループの１社であるサーラ住宅。
今回の取材では、住宅購入を検討されている方が実際に宿泊してみることで家の性能や住み心地を体験することができるモデルハウス「お泊まりハウス」で撮影させていただきました。
営業を担当されている２名の若手社員の方のお話を聞き、住宅購入は一生で一番大きな買い物だからこそ、その大きなライフイベントに立ち会える喜びと責任感が印象に残るインタビューでした。
東三河ヤクルト販売
一般家庭はもちろん、スーパーマーケットや施設給食などにヤクルト商品と健康情報をお届けする東三河ヤクルト販売。
東三河各地の９営業所すべてに保育ルームがあり、子育て世代もイキイキと働ける環境が整っています。
また、ヤクルトの販売以外にも化粧品の販売やエステサロンの運営なども行っており、撮影の際にはエステを初体験した学生もいました！
ユタカコーポレーション
“自動車教習所”のイメージが強いユタカコーポレーションですが、実は飲食店や介護事業など、なんと10つもの事業を展開していることを知り、その意外性をユニークに伝える方法として、TikTokの人気動画を参考に作ったこのチーム。
独特な効果音が印象的で、面白いムービーが出来上がりました。。
終始和やかな雰囲気の中で人事担当の方３名、若手社員の方２名とお話しさせていたただき、企業のPRポイントである“風通しの良さ”をしっかりと感じることができた取材でした。
講座と撮影の裏側の様子をチラみせ！
取材前の事前準備セミナー
このプログラムの特徴として、初めての企業訪問でもしっかりと取材・撮影ができるよう、サポート体制を組んでいます。
事前セミナーでは、名刺交換の仕方やビジネスマナーも学び、安心して当日を迎えられるよう準備しました。
また、企業調査や企業の方にどんな質問をしたいかなどを考えながら、ムービーの絵コンテを作成したり、どんな音楽にするかなどのディスカッションもチームで行いました。
この講座で初めて出会った人とチームを組むことになった学生がほとんどの中、それぞれの過去の経験や得意なことからしっかりと役割分担をして、チームで協力し合って取材準備を進めることができました。
ムービーのお題は『企業を“食べ物”に例える』こと
参加者のみなさんを悩ませたのは、『企業を“食べ物”に例える』というお題。
これは、知らない企業のムービーでも興味を引き、かつ90秒という短い時間でも企業の特徴が伝わるようにするための工夫です。
とても難しいお題でしたが、学生たちは企業の事業内容や歴史、大切にしていることなどから、いろんな食べ物を候補に挙げていました。
トラブルあり！？撮影の舞台裏
取材当日に、外での撮影の予定が、突然雨が降ってきてしまったり、インタビューシーンで、背景に大型車両が通り過ぎ声がかき消されてしまったり、いろんなトラブルがありました。それでも、学生と企業担当者の方が一緒に解決策を考えることで、臨機応変に対応し、無事撮影をすることができました。
初めての企業訪問で名刺交換の時は声が震えていた学生も、最後は社会人と学生であることを感じさせないくらい打ち解けていて、まさに企業と学生が“タッグを組んで”作ったムービーとなりました。
こだわり抜いたムービー編集
ムービー編集は、チームの中でムービー編集の経験があるメンバーを中心に行われました。中には、初めての編集作業に挑戦する学生もいました！
どのチームも、「やるからには、最高のものを作りたい！」という思いで、各社のイメージに合わせた音楽を選んだり、見せ場を作ったり、ムービーの演出にこだわりました。
何度も打ち合わせや修正を重ね、ついに各チームの企業ムービーが完成しました！
完成ムービーをついにお披露目！最終発表会＆交流会の開催
11月21日、本講座の集大成として、各チームによるムービーのお披露目と、企業紹介のプレゼン発表会を開催しました。
当日は参加学生・参加企業以外にも10名以上の社会人・学生が見学し、参加学生が学生目線で感じた企業の魅力を共有し合いました。
参加企業や見学者は、学生がつくったムービーのクオリティの高さにとても驚いていました。
各チームそれぞれ見る人が楽しめる工夫がいっぱいで、あっという間にお披露目は終了。
発表会の後には企業と学生との交流会も実施し、ムービー制作の振り返りや今後の就活・キャリアなどの話題で盛り上がりました。
講座を終えて
約半年の時間をかけて、事前セミナーの受講から企業調査、取材準備、ムービー企画、企業取材・インタビュー、ムービー編集などをやり遂げました。
参加した学生からは
- 初めて会う人と何かを作り上げるのはとても大変だった。社会人の方にお話を伺う機会は中々ないので、楽しかった。
- 豊橋の企業について大変詳しく知ることができた。今まで興味を持ったことのなかった職種にも興味を持つようになり、就活の視野を広げることができた。
といった声をいただきました。
どのチームも、企業訪問前にしっかりと情報収集して企業のことを調べていましたが、それでも「企業を実際に訪問して、社員の方の話を聞いてみると印象が変わった」という意見が多数でした。
普段生活を送る中では、企業についてほんの表面上のことしか見えていません。
今回の参加者の中にはこれから就職活動をする学生も多いですが、企業の本当の姿を理解し、自分に合う企業を見つけるためには、能動的に情報を取りに行く姿勢が大切なことが伝わったのではないかと思います。
豊橋市には、まだまだ面白い企業がたくさんあります。
この講座やムービーを通じて、豊橋市内の企業や市内就職に関心をもつ学生が増えれば嬉しいです。
