【人生100年時代】マイクロリタイア

安定のために定年まで勤めあげる、生活のために働き続ける、そんな価値観が当たり前だった時代から、今は少しずつ変化が見られます。

人生100年時代、平均寿命が延びる一方で身体の健康や家庭の事情、キャリアの転機など長い人生の中には立ち止まりたい瞬間が訪れるものです。

そんな中、注目を浴びているのが「マイクロリタイア」という生き方。完全に引退するのではなく、働きながら小さなリタイヤを繰り返す新しい生き方です。

この記事では、マイクロリタイアとはなにか、メリットやデメリット、そして、実際に取り入れるためのポイントをご紹介します。

マイクロリタイアとは

マイクロリタイアとは?

マイクロリタイアとは、数十年働き続けて一気にリタイアするのではなく数か月から数年単位で「働かない時間」を取り入れ、また仕事に戻る…と繰り返す働き方のこと。

例えば「数年働いて資金を貯め、半年間は海外で暮らす」「新しい資格取得や学び直しのために一度キャリアを中断させる」「子育てや介護に専念する期間を、あえてリタイアと捉える」といった形です。

「休みながら働く」という選択肢は、心身の健康を守るだけでなく新しい経験や学びを得るチャンスにもつながります。

マイクロリタイアのメリット

心身のリフレッシュ

現代の働き方は多くの人にとってストレスや長時間労働との戦いでもあります。マイクロリタイアによって”疲れ切って燃え尽きる”前に一度立ち止まることで、心も体もリセットできます。

「次の仕事に挑戦したい」という気力を取り戻せるのは大きなメリットです。

柔軟なライフプラン

子育てや介護、留学や趣味など人生の優先順位に応じて働き方を調整できるのも魅力です。特に女性にとって、ライフステージに合わせ柔軟に働ける選択肢は心強いものですね。

キャリアの再設計ができる

リタイアの時間を「休み」ではなく「投資」と考え、スキルアップや学び直しに使う人もいます。資格取得や専門分野への挑戦など、キャリアチェンジのきっかけにもなります。

地域との相性の良さ

都市部での「消費型の休暇」と違い、東三河のように自然やコミュニティが豊かな地域では、休む時間を理想の暮らしや人との交流に使えるのも魅力です。家庭菜園や地域活動など、休養期間をより豊かに過ごせる環境が整っています。

マイクロリタイア_相性

マイクロリタイアのデメリット

もちろんメリットだけでなく、実際に取り入れるには課題もあります。

収入の不安定さ

休む期間は収入が途絶えるため、貯蓄や投資による備えが欠かせません。計画性がなければ生活に支障が出てしまいます。

キャリアの空白期間

企業側の理解が十分でない場合、再就職の場面で「ブランク有」とみなされ不利になる可能性があります。

社会保障や年金の影響

国民年金や社会保険料をどう確保するかは大きな課題です。特に長期のリタイアを考える場合は、制度上のデメリットを理解しておく必要があります。

周囲の理解が得にくい

特に日本社会では「働き続けるのが普通」という価値観が根強く残っているため「なぜ働かないのか」といった社会的な目や、家族からの不安の声も出やすいかもしれません。

再就職のハードル

地方の求人は「すぐ働ける人」を優先する傾向が強いため、柔軟な働き方を受け入れる環境が十分ではありません。復帰のしやすさという点ではまだ課題が残ります。

実際に取り入れるためのポイント

では、マイクロリタイアを現実に取り入れるにはどうしたらいいのでしょうか。

資金計画を立てる

生活費・固定費を試算し、どのくらいの期間リタイアができるかを明確にしておく必要があります。旅行や学びなどマイクロリタイア中にかかる費用も含めて計画しておくと安心です。

スキルを維持する

完全に離れるのではなく、資格の更新や勉強、副業などでスキルを磨き続けると仕事への復帰がスムーズになります。

柔軟な働き方を探す

地元求人でも「短期契約」「パート」「業務委託」など、柔軟な雇用形態が少しずつ増えています。リタイア後の復帰先としてチェックしておきましょう。

小さく試す

いきなり数年のリタイアはハードルが高いため、まずは長期休暇や数週間の休職から始めると感覚が掴みやすいでしょう。

周囲と共有する

家族や職場の理解があると、休むことへの心理的負担も減ります。「次につながる時間」と説明できるよう準備しておくとよいでしょう。

マイクロリタイア_周囲と共有

東三河でのマイクロリタイア

豊川や蒲郡の沿岸部で「短期雇用の水産加工」や「観光シーズン限定のホテル・飲食アルバイト」といった求人が毎年出ています。数ヶ月集中して働き、閑散期には思い切って休む…そんなサイクルはまさにマイクロリタイア的な働き方です。

また、新城や田原など自然豊かな地域では、休養期間に農業体験や地元のボランティア活動に参加する人も多くいます。働かない時間が「地域とのつながり」を深める機会になるのは、地方ならではの魅力ですね。

他にも短期契約の製造ラインやイベントシーズン限定の運営スタッフ、さらには在宅ワーク可能なライターや事務代行など、多様な仕事の選択肢が広がっています。

東三河のように自然や人とのつながりが豊かな地域では、リタイア期間を暮らしに生かすイメージもつきやすいかもしれませんね。

計画性をもって、自分らしいマイクロリタイアを

マイクロリタイアは「定年まで途絶えることなく働き続ける」以外の新しい生き方です。立ち止まることで見える景色があり、その経験が次のキャリアや人生を豊かにしてくれます。

もちろん課題はありますが、計画性をもって取り入れれば長く自分らしく働き続ける力になります。

「働き続けること」だけが人生の成果ではありません。あなた自身のライフスタイルや価値観に合わせ、立ち止まり、また歩き出す。その選択肢の一つとして、マイクロリタイアを考えてみてはいかがでしょうか。