社会生活のさまざまな場面で必要となる、契約書。
なかなかとっつきにくく、文字数も多いので苦手意識のある方が多いのではないでしょうか。
この記事では契約書について簡単に説明しながら、契約書の必要性や具体的な種類や電子契約について紹介していきます!
そもそも契約とは?
契約とは、2人以上の当事者が合意することによって法的に保護される約束のこと。
売買・貸借・雇用・請負・委任などさまざまな種類があります。
それらの契約が成立することを書面で証明したのが「契約書」です。
契約書の必要性
法的には契約そのものは双方の合意があれば書面がなくても口頭だけで成立します。
しかし重要な契約においてはトラブル回避のために契約書を作成するのが一般的です。
ここでは契約書の主な機能である「確認」「トラブル予防」「証拠」の3点について解説します。
確認
契約書を作成することによって「誰が」「いつ」「どんな」約束を合意して契約が成立したかを明確にすることができます。
トラブル予防
書面で契約内容を明らかにすることで口約束での「言った言わない」のようなトラブルを防ぐことができます。
証拠
トラブルが回避できず裁判となったような時には、契約書は重要な証拠になります。
契約書の種類
ビジネスで使われることの多い契約書ですが、消費者にとっても重要な契約書がいくつもあります。ここでは、代表的な契約書を種類ごとに紹介していきます。
売買契約書
売り手と買い手の間で商品やサービスなどの取引を行う際に作成する、契約書の中で最も基本的なタイプです。
前述のように必ずしも契約書がいるというわけではありませんが、トラブルになりやすい高額な物品の売買や登記や借入の際に売買契約書が必要な不動産などでは作成されるのが一般的です。
賃貸借契約書
アパートやマンションなどの賃貸物件の契約に用いられます。賃料や共益費、契約期間や更新について、契約解除となる条件などが書かれています。
雇用契約書
会社と従業員の間で交わされる契約です。労働契約の期間や就業場所、従事する業務などはもちろん安全・衛生に関わる事項や労働者が負担する作業用品などの取り決めなどの確認にも用いられます。
業務委託契約書
企業が業務を外部に依頼する時に交わされる契約書であり、内容によって請負契約書・委任契約書・準委任契約書といった種類があります。一緒に秘密保持契約書(NDA)が締結されるのが一般的です。
労働者派遣契約書
雇用契約書や業務委託契約書のように会社と働き手が交わす契約書とは異なり、派遣労働の場合は、派遣元と派遣先の間で継続的に労働者派遣を行うことを取り決めた労働者派遣基本契約書と派遣会社と派遣スタッフが締結する雇用契約書が別々にあります。
さらに派遣社員を保護するために作成される労働者派遣個別契約書は法令で作成が義務付けられています。
保証契約書
借金の連帯保証人のように債務者が支払をしない場合に代わって支払いを行う契約や、介護施設に入居する際に結ぶ契約が含まれます。
一部の契約書には収入印紙が必要
具体的な契約書の文面については行政や業界団体などからひな型が多く配布されています。
ここで、種類によっては契約書は課税対象となり収入印紙を貼ることで印紙税の納付を行います。
詳しくは国税庁のウェブサイトをご参照ください。
印紙が不要!労力も減らせる電子契約
書くのが大変そうで、場合によっては収入印紙が必要で、ますます苦手意識が増えてしまいそうですが、近年浸透してきているのが「電子契約」です。
書面ではなく電子契約の方式で締結する場合、収入印紙の貼付は一切不要!これまで遠隔で契約書を交わそうと思うと郵送などで手間や時間がかかっていましたが、電子契約なら離れていてもオンラインで即座に締結できます。
電子契約では契約者本人が合意したという証拠を残すために電子署名という仕組みを使用します。電子署名は暗号技術によって内容が改ざんされていないことを証明する仕組みのこと。筆跡や印鑑に代わる信頼性を担保する手段です。
また電子契約を行うオンラインサービスには改竄を防ぐためのタイムスタンプ機能などより高い信頼性を担保しているものもあります。
ただし、土地や建物の賃貸借契約や訪問販売など特定の契約書は書面での作成が義務付けられており、現時点では電子契約を行うことはできません。
生活を守る契約書の役割
人生の中で大きな変化がある時に必要となるさまざまな契約。
作成は面倒ではありますが書面に残すことでトラブルの回避や証拠書類となるなど、自分の生活を守るためになくてはならないものです。
新しい電子契約の流れもかなり浸透してきましたので、ぜひこの記事を参考にしていただければ幸いです!