会社情報
日本伝統の帆前掛けを世界へ、未来へ
先人たちの知恵の詰まった帆前掛け
エニシングは、日本伝統の仕事着である帆前掛けの企画・製造・販売会社です。東京都小金井に本社をおき、豊橋工場(芳賀織布工場内)にて帆前掛けを製造しています。
働く人の腰を守り、衣服の汚れやケガを防止する目的に加え、大きく入った紋様による宣伝効果をもたらす帆前掛けは、古くから商人の仕事着として日本に根付いてきました。
エニシングは、伝統ある帆前掛けの文化を守り、その魅力を世界に発信しています。
残さなければいけないもの
もともと紡績業が盛んだった三河地区は、帆前掛けの産地としても名を馳せていました。
しかし、時代とともに需要は減少し、ピーク時に100軒以上あった豊橋市の帆前掛け製造業者のほとんどが、現在は廃業しています。
帆前掛け専門店としてのエニシングは、2006年の芳賀正人氏(芳賀織布工場/取締役)との出会いがはじまりです。当初は漢字Tシャツの販売をしていましたが、芳賀氏の作る帆前掛けに魅了され、その文化の継承に使命感を抱きました。
主流となっていた安価で薄い生地を止め、“1号前掛け”と呼ばれる、厚くて丈夫な上に身体にフィットする柔らかさを持つ伝統ある帆前掛けを復活させました。
帆前掛けの眠っていた魅力が掘り起こされたことで、カフェのユニフォームや個人ギフト用など、少しずつ需要が広がり始め、現在は国内外の多くの方にご愛用いただいています。
技術を受け継ぎ、更なるステージへ
現在、エニシングの若手職人2名が芳賀織布工場に駐在し、芳賀氏から1号前掛け織りの技術を引き継いでいます。
豊橋工場で使われている機械は、60年以上前に製造された「シャトル式力織機」という古いもので、気温や湿度などによって糸の張りの強さを調整しながら1枚ずつ織ります。全自動式の機械と比べ時間も手間も掛かりますが、その分手作り感のある優しい風合いの生地が出来上がります。
今後1~2年のうちに豊橋市内で工場を移転させ、生産体制を整えていく予定です。帆前掛けが更に多くの人に愛される存在になるよう、エニシングは技術の承継と魅力の発信を続けていきます。
会社概要
会社名 | 有限会社エニシング |
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会社住所 | <東京オフィス>東京都港区元赤坂1-7-10 グランドメゾン元赤坂902 <豊橋前掛けファクトリー>愛知県豊橋市大岩町西郷内167-2(沢渡91-2) |
電話番号 | 03-5843-0247 |
Webサイト | http://www.anything.ne.jp/ |
設立年月 | (創業)2000/11/16 (法人化)2004/4/13 |
従業員数 | 10名(社員6名、パート4名) |
事業内容 | 1.日本伝統の仕事着・帆前掛けの製造、企画販売 2.「前掛けかばん」などの「1号前掛け」を使った商品企画販売 3.博物館、ミュージアムショップなどの商品企画制作 など |
代表者 | 西村 和弘 |
働くひとの声
日本伝統の仕事着である帆前掛けには、これからの日本、世の中、未来に必要な、古くからの日本の知恵が詰まっています。「これを次の時代にも残していきたい」という共通の想いを、会社の仲間たちはもちろん得意先とも共有し、自信をもって世界へ発信していきたいと考えいています。
しかし、(有)エニシングの西村社長と出会ったことで、帆前掛けの実用性・魅力を改めて伝えていけるチャンスをいただきました。
事業は人が継承していくもの。だからこそ、帆前掛けに魅力を感じ、将来性を信じてくれている人たちに、この技術を伝えていきたいと思っています。
百貨店などの催事場で販売に携わることがあるのですが、自分が織ったものが工程を経て商品になり、その商品の良さを自分で伝えて購入してもらえたときは、たまらなく嬉しいです。
織り機はとても古い機械なので、将来に向けて大切に残していくつもりです。機械に愛着を持つことで、それが反映して良い生地に仕上がると、私は信じています。
もともと“ものづくり”や“伝統工芸”などに興味があったので、帆前掛け職人の募集を見たとき、これだ!と思いました。
仕事の内容自体は繰り返しですが、機械の不具合はいつ起こるか分からないですし、糸の張り具合なども日によって違います。芳賀さんに教えてもらいながら、少しずつ「これがいい」という感覚を身に付け、キレイな生地を織れるよう勉強しています。
取材担当者より
また、「日本伝統の帆前掛けを未来へ残していこう、世界へ発信していこう」という共通の理念が全員にしっかりと浸透している。“根っこ”の部分が共通しているからこそ、それぞれが自主性を発揮し、自由に仕事ができる職場環境だと感じた。