過去〜現在

少し自分の昔話をすると、
学生時代、東京での生活は金も無く、色々と切り詰められた生活を送っていた。

お世辞でも綺麗とは言えないアパート、通称「SM荘」に転がり込み、男3人で生活していた。
これが当時の僕たち。この先のことなんて何も知らない姿。
 
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今風に言うとルームシェアだが、そんなかっこいい感じじゃなかった。
毎日、「何か面白いこと」を求めてバタバタしていた。

そして、これが今の僕たち。
普通に楽しそう。
 
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三井俊介さん
彼は通称ミッチー。
陸前高田市 で史上最年少市議会議員。綺麗な奥さんと子供を養う立派なパパ。

 
 

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彼は通称マサキング。
誰もが知ってる大企業で働く。
毎日イケイケな生活を送っている。

 
 

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僕、ニート(笑)
これから!!

 

人生何が良いかなんかわからないし、これからどうなるかもわからない。
何が正解かなんて誰にもわからない。

ただ、仮にこれが人生ゲームだったとしたら、
かなりの差をつけられていることは確実だ。

その差を埋め、なおかつ追い抜く!!

ということで、人生をここまで上手いことやってきた2人と、人生ゲームで勝負した。

 
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人生を取り戻す戦い

まず、スタートの位置決め。
できるだけ現状に近いマスに配置し、その他の条件もなるべく合わせる。
すると、それぞれこのようになった。
 
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ミッチー
職業:政治家
給料:30,000ドル
現金:22万3千ドル
家族:妻・子供
スタート:「女の子が生まれ、お祝い1,000ドルもらう」ポイント
 
 
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マサキング
職業:サラリーマン
給料:8,000ドル
現金:20万3千ドル
家族:なし
スタート:今回の撮影の場所として協力してもらっているので、「仕事を手伝い左隣の人(僕)に3,000ドルもらう」ポイント
 
 
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おいちゃん(僕)
職業:なし
給料:ルーレットの数字×1,000ドル
現金:3千ドル
家族:なし
スタート:「インターネットで自分のホームページを作り2,000ドル払う」ポイント
 
信じられない。
大学卒業からほんの数年でよくもここまで差がついたものだ。

改めて現状を叩きつけられとても不安になったところで、ゲームスタート。
 
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スタート直後、周囲への支払いがかさみ支出は増える一方、ギャンブルのような安定しない収入により借金を背負う生活が続く。
 
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途中、ミッチーの大物政治家成り(仕事のランクアップ)はなんとか阻止したものの、その間にマサキングも政治家に転職。
 
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二人とも安定した収入源を築いていく中、新米政治家のマサキングの「政治家がルールを作る」という一言で、状況は最悪の方向へ進んだ。
2人は余った資産を全て株に投資し始めたのだ。

おいおい政治家!と思いながら、ゴールで価値が上がるのを見越して私腹を肥やす2人。
買いたくても株を買う金が無い私。
 
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最終的には、家を売却して借金を清算させられ、人生のゴールを迎えた。
 
結果
 
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当初20万ドルで始まった差が、最終的に約200万ドルぐらいの差となって終わった。

金のあるところに金は集まるんだなあと、気分が悪くなったところで、市議会議員の三井さんにインタビューをしてきた。
 

陸前高田市の三井さんインタビュー

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2011年3月11日東日本大震災が起きてすぐ。
東京にあった僕たちの家にもヒビが入り、物は散乱している状況の中、すぐに三井は東北に向かって行ったのを今でも覚えている。
三井はボランティアで関わり始めたのをきっかけに、陸前高田市の居心地の良さを感じ、大学卒業後、陸前高田市広田町へ移住。
移住後はパソコン教室やNPO法人SETとして学生と市民の交流プログラム活動などを行い地域の復興・活性を考えた動きを続けていた。そんな三井に地元住民が、2015年の市議選に出馬を提案。これを受け、その年の9月、見事トップ当選を果たし、史上最年少で陸前高田市市議会議員となった。

今の陸前高田市

ーーー震災から5年経ち、津波で何もかもが流されてしまった町は今、どのような状況ですか。
 
「今は、瓦礫の撤去が完了し、広大な平地を12.5mかさ上げし終わった状態です。
そして、今年の末には中心市街地が形を見せ始めます。これから復興した新しい町の姿が目に見え始めるのがとても楽しみです。
しかし、このように建物などのハード面については着々と進む一方で、人口の減少など、いわゆるソフトの面についてはこれからより一層頑張っていかなければならない状況です。」
 
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陸前高田市市議会議員の仕事

そもそも市議会議員とは、
市民の代表者として、市議選挙で選ばれた人を指し、主に予算の審議・採決 、条例の作成 、一般質問での提案・追及などを行う。
 
ーーー実際に市議会議員の仕事ってどうなの?大変ですか?
 
「市議には執行権が無く、市役所と協力しながら進めていく点に難しさを感じます。
また、周囲の議員は年上の方ばかりで、自分の意見を通していくのにも苦労があります。
一方で、市議としての立場となったことで、得られた情報やコミュニティーもたくさんあるし、また、自分の話を聞いてもらえるようにもなったのはメリットとして感じています。」
 
ーーー人生ゲームでは、楽して安定した収入を得ていたように見えたけど、忙しいですか?
 
「市議会議員の仕事だけ見れば、空いた時間は比較的多いです。
その空いた時間に何をするかは議員によって異なるけど、自分の場合は、NPO法人SETの活動も行なっているので、忙しい毎日を送っていていますね。」
 
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今後の展望

ーーー人生ゲームでは大物政治家を目指してたが実際の今後は?
 
「残念ながら、政治家としてのキャリアを積んでいくことは考えていません。
それよりも、広田町に住み、みんなの顔を見ながら、陸前高田市のために仕事をしていきたい。
好きな人と、好きな町のために仕事をできることが、自分にとって豊かな生き方になっています。」

と、さっきまで人生ゲームで荒稼ぎしていた彼からは想像できない返事だった。

「私には陸前高田でやりたいこと・作りたいものがあり、政治家という職はあくまでもその手段なんです。
その目的に対し、議員である必要がないのならば続けません。
辞めるにも応援してくれる地元の人にしっかりとした説明をできなければ辞められないので、そのビジョンが形になってきたら次のステップに全力を注ぎます。」
 
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ーーーやりたいことって?
 
「もっと広田町を活性させることだね。
町の活性って、地域の外部からと内部からの町おこしが必要であると考えています。
それを外部からの刺激や応援を入れ続けていくことで、内部の人の町おこしにつなげる、そんな良い循環を生みたいと考えています。
そのために今、NPO法人SETと市議会議員という立場で、外部から若者を呼び続ける仕組みを作っています。
SETにて「移住に向けた人材の育成」、行政の方で「移住したい人の環境整備」、この両輪で移住者の支援を行う仕組みです。
 
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広田町3,500人の住民に対し、これまで1,800人以上の若者が町作りという目的で訪れ、300人の町民が町おこしに協力してくれました。
さらに、現在20・30代の町民が100人に対し、その約1割に当たる、約10人の移住者が今後、広田町に来てくれることが見込まれています。」
と、嬉しい実績を教えてくれた。

「近いうちに、人口の1%(約30人以上)の移住を毎年迎えられような仕組みを作りたいね。」と意気込む三井から先ほどのゲームで見せていた、荒稼ぎする姿は消えていた。

震災が起きてからずっと、陸前高田市の復興を支え続けた彼は、
次に陸前高田市の活性を目指していた。

「地域の外から来た若者」から「広田町の三井」になった彼の今後の活躍に期待したい。
 
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陸前高田市市議会議員
NPO法人SET代表理事
三井俊介
http://vpoint.jp/author/mitsui