豊橋市は、その恵まれた立地と、トヨタ自動車などに代表される大手メーカーの下請け事業を背景に、多くの製造業が発展を遂げてきた。

現在、豊橋市には1,700近い数の製造業の事業所が存在するが、その中でもひときわメディアを賑わす企業がある。
 
 
使った人を虜にする高性能マスクで有名な「株式会社くればぁ」だ。
 

 
ニュース番組「ワールドビジネスサテライト」や、バラエティ番組「林先生が驚く初耳学」などのメディアにも度々取り上げられているため、聞いたことがある方も多いだろう。
 
 
今回は、株式会社くればぁの中河原社長のもとを訪れ、その革新的な企業の素顔に迫った。
 

株式会社くればぁ

 

中河原 毅さん
株式会社くればぁ
取締役社長
趣味:サーフィン
   海外旅行

 

出迎えていただいた中河原社長。
まず、その若さに驚く。

つい最近お子さまが生まれたばかりの新米パパの一面も持つ中河原社長は、現在37歳。

電気工具メーカーの(株)マキタにてプログラミング・研究開発に従事した後、父である四郎会長が設立した株式会社くればぁに入社した。
 

“くればぁ”と聞けば、多くの人が「マスク」を思い浮かべるだろう。

だがしかし、実はくればぁの本業はマスクでは無い。
 
 

メッシュフィルター


くればぁ本社工場内で加工されるメッシュ
 
くればぁは、メッシュフィルターを企画・製造・販売するメーカーだ。

茶こしのフィルター、エアコンフィルター、人工透析治療における血液浄化のフィルターなど、私たちの生活の身近なところや様々な業界の製造現場、医療現場などで活躍するフィルターを製造している。
 

中河原社長がくればぁに入社した当時は、婦人服や作業着の縫製がメインの、いわゆる“下請け企業”だった。


以前はアパレルメーカーの下請け企業だった(イメージ写真)
 
しかし、下請けであるがために発注元による影響が大きく、業績は安定しなかった。
さらに、大手アパレルメーカーの多くは生産拠点を中国やベトナムへ徐々に移転していったため、仕事の減少が危惧された。
 

「当時は会社の業績に波がありました。

くればぁに入社したとき、まず初めにこの下請け体質を何とかしようと考えました。

そこで目を付けたのが、メッシュです。」
 
 
中河原社長のこの挑戦が、くればぁを大きく変えることとなる。
 
 

メッシュの種類、世界一!

メッシュの世界に飛び込んだくればぁは、樹脂や金属など、ありとあらゆる素材のメッシュを生み出してきた。

シルクのメッシュ、プラチナのメッシュ、セラミックのメッシュ・・・
など、まさにありとあらゆる素材だ。
 
また、スイス、フランス、ドイツなど世界各国のメッシュも仕入れ、ついには取り扱うメッシュの種類が世界一となった。
 

棚いっぱいに積まれる様々な素材のメッシュ。ここでしか手に入らないモノも。
 

しかし、ただ取り扱うメッシュが多いだけでは、大手企業が参入して来てもおかしくない。

くればぁの強さの秘密は、一見変わった社名に隠されていた。
 
 

困ったときのくればぁ

アイデアでCLEVERな仕事を、即やる。

これが、くればぁの社名の由来だ。
 
その言葉どおり、どんな相談・要望にも応える、小回りの利く生産体制が整っている。

たとえ試作の1点だけであろうが、くればぁならやってくれる。そうやって信頼を築き上げてきた。
 

小ロットに対応するため、メッシュフィルターの製造はすべて手作業
 

「試作や小ロットの依頼は、モノによっては当日発送も可能です。
大手企業には出来ない小回りの利いた対応をしていくことが、長いスパンで生き残っていく手段だと考えています。」
 
 

世の中にない商品を生み出す

もちろん、依頼を受けた仕事だけを請け負っているのではない。

くればぁが“下請け企業”からメッシュフィルターの“元請け企業”に変貌を遂げた勝因は、当社の「アイデア力」にある。
 

世の中にない商品を

くればぁは、世界最多のメッシュを武器に、様々なアイデア商品を生み出してきた。

社会現象社会問題に対してアンテナを張り、メッシュを使った課題解決ができないか、常に考えを巡らせていると言う。
 

そしてその代表が、「株式会社くればぁ」の名を世に知らしめるきっかけとなった、高性能マスク「ピッタリッチ」なのだ。
 
 

高性能マスク

くればぁの高性能マスクは、10種類の異なるメッシュフィルターによりウイルス飛まつを99%カットする上、立体的な構造により顔とマスクの隙間を極限まで小さくした最強のマスクである。
 


既製サイズの他、顔の形に合わせたオーダーメイドもある。1点1点サイズが違うマスクを手作業でつくる。

 
2013年、PM2.5による大気汚染の脅威が深刻化し社会問題となった際、くればぁのマスクに注文が殺到した。

その後もMERS(マーズ)やノロウイルスなど、様々な脅威ウイルスの流行によりくればぁのマスクは求められ続けた。
 
 

そして2014年、西アフリカ諸国でエボラ出血熱が大流行。

くればぁは、高性能マスク1万枚をも寄付したのだ。
 

「エボラ出血熱の流行し出した頃、ギニア政府から片言の日本語で当社のマスクについて問い合わせが来ました。

すぐに輸出手続きを進めようとしましたが、手続きには3か月もの期間を要すことが分かりました。

『3か月も掛かかってしまえば、助かる命も助からない…』と、対策を調べると、無償提供であれば2週間で輸送できることが判明しました。

すぐに社内で協議した結果、『例え大赤字になったとしても、多くの命が救われ、社会貢献になる』との結論となり、寄付を決断しました。」
 

2017/6/20 感謝状贈呈式の様子

 
ギニア・リベリア・コンゴに贈られた1万枚の高性能マスクは医療従事者に配布され、院内感染を防ぐことで多くの命を救うこととなった。

そして2017年6月、ギニアのアルファコンデ大統領が来日し、マスクの寄付に対して感謝状を贈呈した。
 

「うちのようなイチ零細企業が社会貢献をすることで、日本企業に対する見方が変わるきっかけとなれば嬉しいです。」
と、中河原社長は謙虚に語った。
 
 

くればぁの挑戦

くればぁのメッシュアイデア商品は、社会問題から逆算して生み出される。

ゲリラ豪雨による浸水被害を防ぐ「水ピタ防水シート」や、ヒアリやマダニなどの虫を近づけない「虫退避ネット」などはその代表だ。
 

虫が嫌がるヒノキ成分を染み込ませたメッシュで作られた「虫退避ネット」

 
世の中にない商品を生み出せば、自分たちで新しいマーケットを作り出すことができる。
そうすれば、自然と市場を独占できるのだ。

今後は食品・健康・美容の分野でのメッシュ活用の道を探るという中河原社長。
 
次々にメディアを賑わす株式会社くればぁから、ますます目が離せない。
 
 
 

そんなくればぁでは、新しい仲間を募集しています。

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【会社概要】
株式会社 くればぁ
代表取締役会長:中河原 四郎
取締役社長:中河原 毅
愛知県豊橋市大村町藤田4-1
0532-51-4151
HP:http://www.nippon-clever.co.jp/