現役大学生による企業インタビュー記事、「学生インタビュー」。

この記事は、地元の大学生が、様々な企業を訪問する中で、見て感じた驚きや発見をそのまま発信するものです。

今回は、朝日木材加工 株式会社に訪問してきました。
 
 

<この記事を書いた学生ライターを紹介>

松井 隆政 さん

愛知大学
地域政策学部3年生
趣味:散歩、梅酒

 

河内 慶太 さん

愛知大学
地域政策学部2年生
趣味:スケート

 
 
 

世界進出に成功した豊橋の企業

 
近年、グローバル化が進み、トヨタや日清食品などの多くの日本の企業が世界に進出しています。
そして、豊橋にも世界進出に成功した企業があります。
それが、朝日木材加工株式会社です。
 
僕たちは、朝日木材加工がなぜ、世界進出に成功したのか、そしてそのためにどんな工夫を行っているのかを知るために、小松さんにお話しを伺いました。
 
 
【お話を聞いた人】

小松 亨 さん

朝日木材加工株式会社
取締役事業部長

 
 

海外進出のきっかけは?


 
 

—-朝日木材加工の沿革と海外進出のきっかけを教えて下さい。
 
まず、朝日木材加工は朝日木工という名前で、豊川で創業されました。
 
戦時中、鉄砲の柄や弾薬箱を作る所から始まり、その後、ラジオの本体やテレビなどに注力し、高度経済成長と共に工場を拡大していきました。
 
 
 
そして、規模の拡大と共に人手が必要となり、戦後は三井や三池などから炭鉱労働者を多く雇っていました。ちょうどエネルギーの主力が石炭から石油に変わった事が背景です。
 
一方、資本主義と社会主義の対立が原因で、彼らが労働運動を頻繁に行うようになり、思うように仕事がうまく進まないこともありました。
 
 
 

 

そして、豊橋に本社を移転し、SHARPや東芝に向け、テレビ本体など家電木工製品の製造を行っていました。
昭和40年代にかけては、一般市民生活の中にもイスやテーブルといった洋家具の文化が広まった事もあり、家具の製造販売についても開始しています。
 
その後、1985年におこったプラザ合意によって為替が大きく変化し極度の円安になり、日本でものづくりが出来なくなったので海外に拠点を増やそうと思ったのが海外進出のきっかけです。
 
まず、親日国で賃金が安い台湾に拠点を置き、そして、マレーシアやベトナムにも進出を果たしました。
 

 
 
 
 

海外進出での苦労と喜び


 
経済社会の移り変わりに合わせて海外進出を遂げた朝日木材加工。
海外進出についても伺いました。
 
 

—-海外進出で苦労したことはありますか?
 
まず、資金の面ですね。
たくさんのお金が必要になります。
 

他にも、1999年にタイで大暴落が起きたときには一年間で商品の価値が半分にまで下がってしまったこともあります。
 
国内で事業を行う場合とは違った苦労も多くあり、忍耐力・体力も必要だったと感じています。
 
 

—-逆にうれしかったことは何ですか?
 
やっぱり、自分たちが作った商品がお客さんの元に「安全」に届いたことです。
 
 
やはりお客さんの元に商品を届けることが、ものづくりの企業としてやりがいを感じる瞬間なのだと思いました。
 
また、海外進出の苦労の話もさることながら、小松さんが「安全」にこだわるのには理由があります。
 
それは、今から紹介する入念な品質検査体制を見て頂くとわかります。
 
 

品質検査体制

 
消費者の方に安全に使ってもらえるように、製品に対し様々な試験を行っていることを教えていただきました。
 
 

環境試験


 
まずは環境試験。
これは耐湿・耐乾を調べるもので、温度40度、湿度90%に設定し3日間。
 
その後温度60度、湿度30%にし再度3日間置くことをくりかえし木材の変化(大小の変化、反り、割れ、曲がりなど)を見て設計や材料選びをしています。
 
 
 

強度試験


 
次に椅子の強度試験。
JISの試験基準に基づき、60kgの重りを付け前足を10cm浮かし落とします。
 
 
これをなんと5000回も繰り返し行い、接合部に隙間ができないかを検査しています。
 
 
 

転倒角試験


 
転倒角試験ではデジタル看板の台を使い、だんだん斜めにしていき、倒れる角度を調べます。
 
大きくて重量のある家具が倒れたら思わぬ事故に繋がります。
 
そうした事態を避けるため、転倒確度を測定しているのですね。
 
 

振動試験


 
振動試験では輸送時に傷がつくか調べるもので、箱に入れた状態で台に置き振動を与え、製品に傷がつかないかどうかを検査します。
 
 
 

その他

他にも、対光試験や、VOCチェックで有害成分の検査、キャスターの強度を測る走行実験、基準となる光から見た色をチェックする標準光源試験、布や革の強度を調べる堅牢度試験など、数々の試験が行われている事を教えて下さいました。
 
 
1つの製品をつくるのにこんなにもたくさんの試験が行われ、自分たちの手に届いていることがわかりました。
 
 
 
 
 

海外進出のために心がけていること


 
様々な品質検査の装置を見せて頂いたあと、実際に作られる家具を見せて頂きながら、海外展開と商品についてのお話しを伺いました。
 
 

—-海外進出のために心がけていることはありますか?
 
まず、高額品やこだわったブランドの値段は自ら価格を壊さないように同じにしています。
逆に安い商品はもっと安くするように心がけています。
 

そのために、マーケティングを行い、ターゲットとなる年代や、競合する他の会社の価格設定などを基準に決めています。
 
大体、安~中くらいの価格帯が売れやすいですね。
 

さらに、現地従業員の教育のために現地の言葉や英語を勉強したり、自分たちの作業を見せたり、絵で説明したりしています。
 
 

日本とまったく異なる環境の中で、市場を開拓し、生産体制を整えるために、ここでも苦労しながら乗り越えた様子を教えて頂きました。
 
 
 

取り扱い商品


 

—-どのような商品を売っているのですか?
 
電化製品は主にテレビ台、家具では、ダイニングチェアやダイニングテーブルなどを作っています。
そのほとんどは自社工場で生産しています。
自社ブランド品の他にも、大手家具メーカーブランド品のOEM生産についても手がけています。
 
 

—-なぜ、OEM生産も行うのですか?
 
OEM生産で作った商品は売れればずっと販売が続くので、経営的には安定性があります。
そのため、OEM生産も合わせて行う事で生産性が向上する利点があるからです。
 
 

人気の商品


 
 

—-どのような商品が人気ですか?
 
家電はテレビ台、家具はダイニングチェアやダイニングテーブルが人気です。
 
 
 

宣伝の仕方


 
 

—-宣伝はどのような形態を取っていますか?
 
今のところはホームページのみですが消費者ではなく企業に向けて宣伝をするBtoB方式をとっています。
 
 

今後の海外進出


 
 

—-今後、別の国へ進出する予定はありますか?
 
製造拠点としては、今のところありません。
ですが、マーケットとして中国・インドネシア・インドなどに市場を広げていく予定です。
また、海外進出とは関係ありませんが、ヨーロッパのヴィンテージ家具を再生する事業も進めています。
 
 
 

まとめ

 
今回、朝日木材加工への取材を受けて、僕たちは豊橋というとても馴染み深い町に、世界に進出する企業があるということは今まで知らなかったのでとても驚きました。
 

また、自社ブランドにとても力を入れていることや実際にその商品をいくつか見せてもらった時、自分の大好きな家具にとても似ていたのでとても興味深かったです。
 
 

そして、現在に至るまでの様々な苦労があったことを知り、やはり、世界に進出することは多くの予期できない問題が発生するためとても難しいことなんだということを改めて学び、そんな中で世界進出に成功したことはやはりすごいことだと感じました。
 
 

小松さん、今回はお忙しい中、朝日木材への取材を受けてくださってありがとうございました。
 
この取材で僕たちは豊橋という町にも世界で活躍している企業があることを知りました。
 
そして、今回の記事を通じ、このことが豊橋の多くの人たちに知ってもらえればいいなと思います。
 


 
 
 

【会社紹介ページ】

 
 
【会社概要】
朝日木材加工 株式会社
代表取締役社長:竹内 壽一
愛知県豊橋市北島町字北島87番地
TEL:0532-55-4601
HP :http://www.asahiwood.co.jp/